Beyond Beyondについて

 Beyond Beyond (ビヨンド ビヨンド 越えて、越えて)というタイトルは、30年前に参加した学生YMCAの夏期ゼミナール開催期間中に発行していた夏期ゼミ新聞の名前でした。
 わたしたちの日常性を超えていこう、自分の殻を超えていこう、自分の中にある偏見を超えていこうという思いで付けられた名前だったと覚えています。
 これはわたしの勝手な思いですが、Beyond Beyondは、ジャンプやバネが跳ね上がるのを表す「ビヨーン」という擬態音を連想させ、まさにわたしたちが何かを超えていくことをイメージさせる、躍動感のある言葉です。
 Beyondを2回繰り返しているのは、いったん何かを越えて終わりというのではなく、絶えず何かを越えていくことを促しているように感じます。
 何かを越えていくということ、今の自分ではない自分になること、自分の限界に挑戦してみることに、あこがれを感じます。しかし、それは簡単なことではなく、自分で自分の枠を越えていこうとするわけですから、どこかで甘さや不十分さが残っているものです。やはり、他者との出会いがわたしたちを自分の枠から引き出してくれるのではないでしょうか。
 そのために、読書をして認識や言葉、知識の枠を広げようともしますし、セミナーなどに参加して人との対話を通して、自分の枠から引き出される経験もあります。今回のように外国で生活し、学ぶこともそのひとつです。
 また、何かの経験、人との出会いを通して、自分の枠が壊れていくこともあります。結婚や子育てをふりかえってみると、自分のもっている価値観をいかに変えていくかという努力でもあり、相手を自分の枠の中で理解しない歩みでありました。それは同時に、自分の枠が閉じたものではなく、どこか開かれた部分をもつようにする営みでもあります。
 Beyond Beyondは、人とのつながりを広げ、可能性を高めていくためのわたしたちへの挑戦です。